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禁煙チュウ
第9章 はじめて その2
「綺麗……」
思わず口走った言葉に宮田さんが目を大きくする。

適度に筋肉の付いた肩、腕。胸板は想像してたより厚くて、服を着てる時より逞しく見える。お腹へ続くラインも……と視線を下げると膨らんだ下半身の影が見えて慌てて目を逸らす。

「んー、石井のが綺麗だけどな」
わたしに覆いかぶさって、照れたように宮田さんが言う。
「肌もなんかすべすべだし……」
そう言うと背中に腕を通して抱きしめた。

裸の胸が、お腹が、くっつく。
宮田さんの心地よい重みを感じながら、わたしも腕を回して抱きつく。
胸が宮田さんの体の下で柔らかく潰れてぴったり合わさる。

肌の感触を味わうように身をくねらせると、さらさらと滑って気持ちいい。
「重い?」
宮田さんがごろん、と横になる。
二人で背中に回した腕を動かして、肌の感触を楽しむ。
熱くて滑らかな肌を掌いっぱい広げて撫でる。
はぁ、と耳元で宮田さんが色っぽい息を吐く。

夢中で身をくねらせ、体を擦り合わせる。
いつか二人で見た猫みたいに。

「気持ちいい……」
二人同時に呟いた。
目を合わせるとふふふ、と笑って宮田さんがわたしの体を持ち上げる。
ごろんと回ってわたしが上になる。
自然にキスを交わした。

長いキスの合間にお互いの体に手を這わせ、感触を、気持ちを、確かめあう。
なんて気持ちいいんだろう。
裸で抱き合うだけで。腕で、手で撫でているだけで。

相性だけのものじゃない。そう思うと嬉しくて、ずっとこうしていたいと思った。
自然に力が抜けて、再び宮田さんの手がわたしの胸に触れると喜びに体の奥底が震えるのが解った。
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