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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第5章 糸口
「ベッドに、いこうか」
「うん。……あれも、いっしょに」
はじめが箱を、よいしょと持ち上げて、そしてわたしたちは寝室へと移動する。
重いのかと聞くと、そうでもないよと返ってきた。
やわらかくて、落ち着いた声。
若い男の子がセックスの前に出す声とはまったく違う。
年を重ねた男性の声とも似ていない。
彼の声は、わたしのためだけの、わたしにしか判別のできない色をしている。
それは静かにわたしの身体の中に溶け込むように染み渡っていく。
そういえば、彼と付き合い始めた当初、わたしはこの声で囁かれるだけで身体の底から潤って、とろとろに蕩かされてしまっていたっけ……。
今はもう、彼の声にその頃のような新鮮な甘さは感じない。
でも、あの頃よりもずっとずうっと、彼の声にわたしは安心感を覚える。
あたたかくて甘いミルクコーヒーを少しずつ飲んでいるときのような、ホッとするあの感じにそれは似ていると思った。
たっぷりとしたベージュのタートルネックのセーターと、藍色のミドル丈スカートを脱いでいく。
ブラックのタイツを脱ぎ、下着だけになった。
わたしがそうしている間に、彼も同じように服を脱いでいた。
「うん。……あれも、いっしょに」
はじめが箱を、よいしょと持ち上げて、そしてわたしたちは寝室へと移動する。
重いのかと聞くと、そうでもないよと返ってきた。
やわらかくて、落ち着いた声。
若い男の子がセックスの前に出す声とはまったく違う。
年を重ねた男性の声とも似ていない。
彼の声は、わたしのためだけの、わたしにしか判別のできない色をしている。
それは静かにわたしの身体の中に溶け込むように染み渡っていく。
そういえば、彼と付き合い始めた当初、わたしはこの声で囁かれるだけで身体の底から潤って、とろとろに蕩かされてしまっていたっけ……。
今はもう、彼の声にその頃のような新鮮な甘さは感じない。
でも、あの頃よりもずっとずうっと、彼の声にわたしは安心感を覚える。
あたたかくて甘いミルクコーヒーを少しずつ飲んでいるときのような、ホッとするあの感じにそれは似ていると思った。
たっぷりとしたベージュのタートルネックのセーターと、藍色のミドル丈スカートを脱いでいく。
ブラックのタイツを脱ぎ、下着だけになった。
わたしがそうしている間に、彼も同じように服を脱いでいた。