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恋はいつでも平行線【完結】
第22章 *二十二*
 青と祖母はにらみ合っていたけれど、ふと外から夕方を知らせる鐘が鳴り始め、視線を逸らした。

「ゆず、ゆっくりできないかもしれぬが、秋祭りが終わるまで、滞在するとよい」
「あ、はい。ありがとうございます。それでは、わたしは毎年しているお手伝いをすればいいのでしょうか」
「それは必要ない。ここで青とともに滞在していればいい。雪に身の回りの世話をさせる」

 え、それって……。

「おまえが来る前から、このあたりが今までにないほど、ざわついているのだ。おまえは巫女としての本分の勤めをここで果たしてほしい」

 え、それって要するに、さっき言っていた快楽が云々ってヤツですかっ?

「青、わかっているな」
「言われなくても、というか、ヤるなと言われても、ヤるよ?」

 ちょ、ちょっと青!
 なにその不穏な言葉!

「それに、なーんかいやーなモノが近づいてきてるんだよね」

 青のその一言は、波乱の幕開けだったなんて、そのときのわたしは、知る由もなかった。
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