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恋はいつでも平行線【完結】
第22章 *二十二*
     *

 来たときと同じように青に抱えられて、部屋に戻った。
 布団は敷かれたままだったけど、食事がすでに用意されていて、青が膳の前に降ろしてくれた。
 また膝の上に座らされるのかと思ったけれど、それはなくて、ホッとした。

「さ、食べて」

 そんなことを言われてもと思ったけれど、消化にいいようにと用意されたお粥などを見ていると、お腹がぐーっと鳴った。
 ほどよい温度のお茶を口にして、お粥を手に取ると、止まらなかった。
 お腹が満たされて、人心地がついた頃、それまで部屋の隅に控えていた青が近づいて来て、わたしを背後から抱きしめた。
 一応、わたしの食事が終わるまで待っていてくれたらしい。

「ね、柚希」

 青はわたしを後ろから抱えるようにして、お腹に手を回し、肩にあごを乗せて、甘えた声で名前を呼んできた。

「ん、なに?」
「柚希は俺のこと、どう思ってる?」
「どうって……?」
「好きだとか、嫌いだとか……」

 え、なんで今、それを聞いてくるのっ?
 驚いて青の腕の中で回転して、膝立ちになって青の顔を見た。
 すると、青はかなり困った表情をして、わたしを見上げていた。

「俺」
「うん」
「雪から分裂したし、そもそもが水だから、柚希のこと、よく知ってる」
「う、うん……」
「でも……。柚希が俺のこと、どう思っているのか、分からない」

 そういうもの……なの?

「んー、そうね。びっくりはしたけれど、嫌じゃないと思う」
「嫌じゃない……だけ?」

 青はわたしの言葉にとても不安そうな表情を浮かべた。

「俺、柚希に嫌われたら、どうすればいいのか分からない」
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