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太陽の下で
第7章 満月
「広野さん、彼女はるりさんです。」

るりさんに視線を向けた広野さんは、小さく会釈した。

「せいくん、後は大丈夫だから、早く行ってらっしゃい。」

るりさんに背中を押されて玄関を出たものの、僕のいない間の広野さんが心配で仕方なかった。




広野さんを僕の家に連れて帰って来てから、これからどうするのがいいのかずっと考えていた。

現実的な問題として、彼女が外に出るための着替えがない。

着替えがなければ出かけられないが、外に出なければ切られた髪の毛もそのままだ。

しばらくは外には出たくないかもしれないし、出られないのかもしれない。

でも、ずっと閉じこもる生活を続けることが、いいことのようには思えない。

美容室に連れて行ってあげたいけど、人目が気になるだろうし、あぁそうだ、その前に着替えを用意しなければ。

着替えはとりあえず僕が買いに行くとして、その間一人ぼっちにしても大丈夫だろうか。

あのザクザク切られた髪の毛を、美容室で見られることに彼女は耐えられるだろうか。

堂々巡りである。
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