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太陽の下で
第7章 満月
「この後僕は買い物に行って来ます。留守番できますか?」

カフェオレの入ったマグカップの中を覗いたまま動かない。

「不安ですか?」

頭が縦に小さく揺れた。

「僕のかわりに、広野さんの力になってくれる人を呼ぼうと思っています。誰にも会いたくないかもしれないですけれど、もうこれは決定事項なので、許してくださいね。僕も買い物を終えたらすぐに戻って来ます。安心してください。」

何か言いたそうだったが、出かける支度を始めた。

「お腹が空いたら、ここにたまご粥を作ってあるので、少しでも食べてくださいね。」

準備をしながら声をかけるが、聞こえているのかいないのか、丸まって窓の外を見たまま動かない。

そうこうしているうちに、部屋のチャイムが鳴った。

彼女が驚いていないかと振り返るけれど、先ほどと同じ姿勢のまま、心がどこか遠くへ行っているようだ。


「るりさん、急に呼び出してすみませんでした。お休みの日にありがとうございます。」

「いえいえ、せいくんからのお願いごとなんて初めてだから、頼ってもらえて嬉しくて。」

「ここに来てもらったことは…」

「大丈夫よ、誰にも言わないから。ここは私に任せて。サイズは後で連絡するわね。」
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