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太陽の下で
第7章 満月
僕が1人で彼女を抱えようとすれば、身動きが取れなくなるんだ。

それではこの先、あっという間に共倒れするだろう。

そんな時に、美容師をしている義理の姉、るりさんの顔が浮かんだ。

兄と結婚した時に、弟ができて嬉しいと喜んでくれて、いつでも頼ってねと会うたびに言ってくれていた。

るりさんはとても明るくて楽しい人だけど、母の話だと、兄と付き合う前に随分辛いことがあったようだ。

その話については詳しくは聞いていないけれど、広野さんと2人にしても大丈夫だと確信していた。

広野さんがいつでも外に出られるよう、鏡を見て怖い記憶を思い出さずにすむよう、綺麗にカットしてもらいたくて、るりさんに連絡をすると今日が休みだからとすぐにやってきてくれた。

事情を少しだけ伝えると、それなら自分が一緒にいる間に、着替えを選んであげなさい、と。

サイズは彼女を見てから連絡するから、と。

約束通り、るりさんからサイズを知らせるメールがあり、そこにはどこのお店のどんな服を買うのが無難だと思うと言うアドバイスまであった。

女の子の洋服など、気にも留めたことのない僕にはとてもありがたかった。

着替え、パジャマ、彼女に必要な日用品、少し多めに食材を買い込んで帰宅すると、短めのおかっぱにされた広野さんが待っていた。
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