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immorality ~哀戦士編~
第5章 部下との情事 ~妖姿媚態~
~蛍乃支社(元本社)ビル 地下1階~ 社員食堂
・-・ 12:48 ・-・

安部は一人で、遅めの昼食を摂っていた。

そこへ、真希がやって来た
「ここ、いいですか?」
「あっああ、どうぞ」
真希は、安部の座るテーブルの正面に、腰を下ろした
「課長、また蕎麦ですか?」
「ははっ、まあな。君も随分遅いランチだね」
「ええ、急ぎの仕事を頼まれたもんで」
「そうか。今朝は、歯磨きセット有難う」
「いえいえ、それより徹夜は良くないですよ」
「ああ、気をつけるよ」
他愛もない会話が続く
しかし内心、安部はドキドキしていた
真希に、泣いてる姿を見られたことを...
しかし真希は、その事には触れてこなかった。
...
昼食を済まし、立ち上ろうとする安部に、真希から声が掛かる
「今日も、徹夜とかですか?」
「んっ、そうなるかな」
「じゃー今日は、私も手伝いますよ」
「いやっ、悪いからいいよ。今は、残業代も出ないんだから」
「それは大丈夫ですよ。それに打ち込みなら、私の方が全然早いですし」
「いや、でも...」
「急ぎの仕事を終らせたら、あとで声掛けます」
「いや、しかし...」
真希は、安部の言葉を聞かずに、立ち去っていった。
...
その真希の後姿を、呆然と見つめる安部
”本当にいい子だな”
部下の思いやりに、しみじみとする安部だった。
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