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第1章 皇帝の黒い噂　～社員調教～

物語は１年前から始まる

大手電子メーカーに勤める男、安部弘也（あべひろや）50歳
189㎝の長身で、なかなかのイケメン
性格は、実直で仕事熱心。

安部は同期の連中から、こう呼ばれていた
・仕事は出来るが、出世が出来ない。
・最愛の美人妻がいるが、愛人もいる。
・溺愛する娘がいるが、相手にされない。
・そして、とにかく.....ついていない。

安部は、つくづく不運な男だった。

三流大学卒業後、大手電子メーカーに入社
24歳、上司の愛人に誘われるがまま関係を持ち、本社から地方へ飛ばされる
30歳、3支社を経て、本社勤務に復帰
33歳の時に、取引先の専務の娘（10歳年下）と結婚、女児を授かる
同期の中では一番仕事が出来たが、出世をしていくのは、一流大学を出た者達
それでも、愛する妻と娘の為に、仕事に打ち込み
50歳にしてやっと部長職に就く
さらに、社内一の美女と呼ばれる、愛人も出来た。

しかし、その３か月後に、会社はライバル社に吸収合併されてしまう
ライバル社から、新しい経営陣がやって来て、会社の雰囲気は一変する
旧経営陣は、数名を残し退陣していった
ライバル社から来た、大田原常務の指示の元、新たな体制に向け準備が進む
突然の合併に戸惑いながらも、現状の仕事をこなす社員達
各部署では、大規模はリストラが始まった。

そして、吸収合併から半月後、人事異動が行われ、安部は課長へと降格した
各部署には、ライバル社から来た、新しい上司が配置される
ライバル社の力は強大で、元々の社員達は、戦々恐々と過ごす日々が続く
安部に変わり、開発部部長としてやって来た”小木曽”は、無理難題を押し付けてきた
元々の社員達が、それに耐え切れず、次々に辞めていく中
安部は一人必死に、その無理難題をこなしていた
それは、愛する妻と娘の事を思って、会社に残ろうと決めたからだった。

大幅な人事異動から２週間
サービス残業の日々が続いたある日、安部は同期の木元から飲みに誘われる
そこで安部は、衝撃の事実を知る事になる。