この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
篠突く - 禁断の果実 -
第12章 過去編五話 初めての
 孝哉は大きく目を開き、息を止めた。
 ――好きだと。自分のことを、姉も好きだと。
 彼は力が抜けたようにははっと笑って、悠の隣にどさりと腰を下ろした。
 無言のまま、二人の視線が熱を帯びて絡み合う。互いの脚をぴたりと寄せて間を詰めると、二人はどちらからともなく唇を重ねた。啄むようなキスは、やがて深いものへと変わっていく。
 テクニックなどは無いが、二人は日常のようにさりげなくキスを交わした。容姿端麗な彼らは、異性との関係が絶えなかった。これまで他人を好きになることはなかったが、声をかけてきた人間とは一通り付き合った。手も繋いだし、キスもした。けれど、その先へ進んだことは一度もなかった。
 二人は唾液の音を立てながら、ベッドにもつれ込んだ。首筋に指を這わせて悠を抱けば、彼女の指は孝哉の背中をつつっと撫でた。
 こんな天気の日は良い。降りしきる雨が、時折耳を裂いていく雷が、いやらしい声を消してくれる。灰色の空が、影の落ちた空間が、姉の姿を隠してくれる。花のように甘い彼女の香りさえ無視すれば、目の前にいるのが姉だということは忘れられる。
/82ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ