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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第12章 雌の身体
人はどんな状態のことを、幸せと呼ぶのだろうか。

身体を嬲られ、苦しいことをされているのに、快楽を得てしまう。その最中に、脳が幸福を認識する。こんな幸せの感じ方を、私は今までしたことがない。

倫理に反した特殊な状況で、苦しみを与えられること。それは、与える側と与えられる側に、特別な関係性がないとできないことだと、私は思っている。夫に知られるかもしれない危険を犯しながら、通常とは逸脱した行為で、私は男性に特別扱いされることに酔い痴れているだけ、ということか。

背徳感に溺れているのだろうか。いや、そんな頭で感じるようなことではなく、もっと原始的な、本能的な部分で、私は溺れかけている気がする。

背徳など飛び越えるほどの、強烈な支配感。絶対者に従い、支配されることで、身体が打ち震える。されるがまま、自然と床に這いつくばい、魂を握られ、無力な家畜となる。

まだ知らぬ性的行為に焦がれていた、幼い頃。あれから時が経ち、今私は、こんな形で性感に支配される身体になってしまった。冬木様の、支配下で。
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