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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第7章 内側からの崩壊
そのまま向かったのは、あのブルーグレーのマンションだった。強引なわけではない。
こうなることはなんとなくわかっていた。…いや、なんとなくじゃない。ここへ導かれることは最初から決まっていて、それが当然の運命であるかのように、私はここへやって来たんだ。
「大学時代の友達にコンサートでたまたま会っちゃって、食事することになったから遅くなるね。夜ご飯は冷蔵庫にミートローフがあるからよかったら食べてね。」真仁にメッセージを送り、スマホの画面を消した。
リビングへ通され、黒い大きなソファへ座る。
「知り合いからもらった無花果のジュースというのがあるんだけど、よかったら飲んでみて。」
冬木が奥のキッチンからグラスを持ってやってくると、私の横に腰掛ける。うっすらピンク色がかった液体に冷たい氷が浮いたその飲み物は、一口飲むと、淡く甘い味がした。
「今日のその紫色のブラウス、すごく似合ってる。」
「…そんな、こと、ないです」
床に視線を落としたままの私。
背中の上部、肩の近くを指でなぞられる。身体と脳が、スイッチを切り替えられたように、ガラリと変貌する。支配される。
こうなることはなんとなくわかっていた。…いや、なんとなくじゃない。ここへ導かれることは最初から決まっていて、それが当然の運命であるかのように、私はここへやって来たんだ。
「大学時代の友達にコンサートでたまたま会っちゃって、食事することになったから遅くなるね。夜ご飯は冷蔵庫にミートローフがあるからよかったら食べてね。」真仁にメッセージを送り、スマホの画面を消した。
リビングへ通され、黒い大きなソファへ座る。
「知り合いからもらった無花果のジュースというのがあるんだけど、よかったら飲んでみて。」
冬木が奥のキッチンからグラスを持ってやってくると、私の横に腰掛ける。うっすらピンク色がかった液体に冷たい氷が浮いたその飲み物は、一口飲むと、淡く甘い味がした。
「今日のその紫色のブラウス、すごく似合ってる。」
「…そんな、こと、ないです」
床に視線を落としたままの私。
背中の上部、肩の近くを指でなぞられる。身体と脳が、スイッチを切り替えられたように、ガラリと変貌する。支配される。