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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第10章 中毒者の顔
「あ…あ……」
誰かに聞かれたらいけない。わずかに残った人間の理性が働き、必死で声を我慢する。
視界がぼやけ、声すら出せず、ただ身体をガクガクと小刻みに震わせることしかできなくなっている。

ずっと、与えてもらいたかったもの。
ずっと、与え続けられたいもの。

両手首に嵌められた手錠が、私の全てを縛る。動きを封じ、快楽を貪り続けろということだろうか。
これは、性に囚われた女への罰なのだろうか。男性からの悦楽に一度溺れてしまったら、一生逃れられず、溺れ続けるということか。

冬木様が下す、雌への仕打ち。翻弄する扱い。
飲み込まれ、ただただ私は、待ち続ける。悦楽を。

「怜香、お前は、男に狂わされる女だ。…」
「あ、はあっ、あ、ああああ」

子宮という淫らな性器の奥深くで、男性器の波打つ感触がする。腰を掴まれ、性器からペニスを引き抜かれる。
硬い木の幹に顔を押し付け、太股の震えがいつまでも続く。もうとっくにペニスは体内から出ていってしまったというのに。

大きな波がまた走ったと思うと、痙攣する太股の間から、蛇口を強く捻ったかのような液体が吹き出す。ジョボジョボと流れ出る液体が、草木の上に水溜りを作る。
緩んだ蛇口を止める術が、わからない。
どうして自分の身体がこんな風になってしまったのか、もうわからない。

黒い手錠が、両手首をきつく締め上げる。

服従する動物は森の中に打ちすてられ、また次の仕打ちを待っている。理性も思考も失われつつあることを知りながら、冬木様からの仕打ちを待っている。
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