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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第10章 しのちゃんの受難(六)

 だから、貪り尽くしたい、わけね。
 でも、そのせいで私の足腰が立たなくなるのは本当に困るのだけど。今の段階でも、結構、フラフラなんだけど。

「研究授業は木曜日? 金曜日?」
「研究授業は木曜。実習授業は毎日」

 今週も確かに総合の時間も含め、数学の実習授業もぼちぼちやっていたようだ。来週は毎日、何コマかやることになるだろう。

「……まさか、全コマ?」
「四組と五組は全コマだね。一二三六組も何コマかやるけど」

 なるほど。結構な実習授業数になりそうだ。
 実習の一週目から全部やらせないだけ、佐久間先生も優しいのかもしれない。

 静岡での研修中に、「実習生に全コマやらせている指導教員もいる」と言っていた先生もいたから。
 本当に、実習校や指導教諭によって方針は様々だ。

「じゃあ、結構大変?」
「授業はバイトでも慣れているから大丈夫。でも、恋人が近くにいるのにいろいろ抑えないといけないのが、大変」
「……そこは、頑張って?」
「善処します。だから、ね?」

 手のひらで胸の突起をくるくると回しながら、宗介は意地悪く笑う。刺激を与えられたら勃つんだから、仕方ないの、それは。

「ね、小夜。今夜は」

 あぁ、もう、本当に。「求められる」のも楽じゃないのね。

「――ゴムを使い切るまで、しよう」

 ……私、明日、起き上がれるだろうか。
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