この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
君がため(教師と教育実習生)《長編》
第13章 しのちゃんの受難(八)

「ん?」

 スマートフォンの通知ランプが点滅している。見ると、梓からメッセージが届いている。
 ……やばい。「教育実習中に恋仲にならないように」と、釘、刺されていたんだった。忘れていた。
 けれど、ドキドキしながら開いたメッセージは、拍子抜けするほど簡潔だった。

『明日、里見宗介の報告書見せて』

 まだ、ご両親から私たちのことを聞いていないのだろうか。それとも、興味はないのだろうか。
 まぁ、余計なことは言わないでおこう。

『明日、三時間目なら空いているけど、その時間でいい?』
『いいわよ。じゃあ、待ってる』

 宗介用の報告書――生活態度や生徒への関心度、ホームルームでの話題、授業の内容、同僚になったときの予想など、リスト項目にボールペンでチェックをつけながら、最後の項目で手が止まる。
 報告書を最初に確認したときは気づかなかったけれど。

「……梓め!」

 報告書を丸めてぐちゃぐちゃにしたい気持ちを抑えて、最後の項目に目を落とす。

【里見宗介とヤッた?】

 イエス? ノー? どちらでもない?
 シャープペンシルでピッと薄くチェックを入れて、ため息をつく。
 まったく、もう。

「何でそこだけ鉛筆で手書きなのよ」

 消されることが前提のチェック項目。
 梓も、昔から悪ふざけが過ぎる人だ、本当に。
/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ