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誰よりも君を愛する
第3章 開放

着いた旅館は名のある高級温泉宿で有名なところ。
たった三泊程なのにキャリーバック一つの亜矢子に対して良雄は大小四つのバックをトランクからゆっくり下ろした。
良雄は少し頬を赤くしてキョロキョロし始めた亜矢子の手を握って
出迎えの仲居や番頭らの前で馴染みの女将と挨拶を交わし
新妻を紹介して軽い世間話をしだした。
繋いだ亜矢子の手が段々汗ばんできていた。
先ほど良雄がくれたお薬が効いてきたのだ。
亜矢子が何も聞かずに信用して飲んだのは利尿剤だった。
何か伝えたそうにしている亜矢子だったが良雄に一瞥された目が
(恥をかかせないで)と言ってる様で言わずに我慢をした。
ようやく部屋に通されても仲居さんからの色々な説明やらで亜矢子の尿意は限界を迎えようとしていた。
そうしてようやく仲居が引き上げトイレに駆け込もうとドアノブに手をかける寸前、亜矢子は漏らしてしまった。
トイレで残りのオシッコを出し切った。
出ようとドアを開けると床に漏らしてしまったオシッコを良雄がタオルで拭いてくれていた。
結婚早々、しかも新婚旅行でまたしてもやってしまった亜矢子はわんわん泣いて謝った。
『いいんだよ、こっちこそ亜矢子のオシッコに気づいてやれずにゴメンよ。医者としても夫としても失格だよね。』
良雄の方こそ申し訳なさそうに言った。
『これからは僕がちゃんと亜矢子のオシッコに気を配ってあげるからね、恥ずかしがらないで‥お風呂に入ろう』
部屋付きの露天風呂は畳敷きで休憩用にゴロ寝が出来るマットが二つ、間に置かれた小さなテーブルにはシャンパンが冷やしてあった。

