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誰よりも君を愛する
第22章 甘い誘惑
朝、二人で軽い朝食をとっていると良雄のスマホがなった。
『おはよ‥ちょっと待って。亜矢子‥母さんから‥』
買い物に付き合って欲しいと頼まれた。
デパートやブティックなどを回り、昼過ぎにレストランに入った。
『この後、美波ちゃんのクリニックに行くから‥』
その言い方は当然(アナタも行くのよ)と受け取れた。
レストランを出てタクシーに乗り込むとおしゃべりで優しかった義母の雰囲気が一変して、一言も話さなくなった。
『着いたわ‥』
クリニックに入ると10人位の患者が待合室に座っていた。
義母が受け付けすると、すぐに看護士が呼びに来た。
身内だから優遇されたのだろうか‥亜矢子がぼんやり考えながら座っていると
『亜矢子さんもよ、』
‥と義母に言われてビックリしてついて行った。
『こんにちは叔母さん、亜矢ちゃん、先日はどうも‥』
そこには髪をキリッとひとまとめに結いあげて白衣を纏った美波がにこやかに座っていた。
亜矢子はその姿にドキッとした。同じ女性として美波は颯爽としていてカッコ良く、美しい。医師としての腕も確かとくれば評判がイイに決まってる。美波のクリニックは大変流行っていた。
『じゃあ、早速始めましょうか、叔母さんは悪いけど待合室にいて下さい‥』
『ぇ‥?』
義母が出て行き診察室に亜矢子が取り残された。
『私、付き添いで来たんですけど…お義母さんは?』
『あら?聞いてないの?叔母さんも強引ねぇ~アナタ達に子供が出来ないから検査してくれって頼まれたのよ‥』
『それは良雄さんと話し合って、もう少し2人だけでいようと決めてあるんです。』
『私もそう言ったんだけどねぇ~案外ああ見えて頑固な叔母さんなのよね、ま、せっかく来たんだし、健康診断だと思って。一度やれば叔母さんも納得するでしょ』
『健康診断ですか?』