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誰よりも君を愛する
第34章 嫉妬②

『わかった‥』
良雄はその一言で亜矢子の体に付けた洗濯バサミを外し、クリトリスと乳首を結んだ糸と手足の拘束も外した‥

『‥ぇ』

亜矢子も毒抜きと聞いて、されるであろう責めを覚悟していたのにあっさり外されていく糸と拘束を呆然と見ていた‥

開いた足はそのままだったが水平に倒されていた背もたれも少し起こしてくれた。

『ごめんなさい旦那様ぁ‥』

『いいよ‥』

『また旦那様を傷つけてしまった‥』

『小さいころから大好きなお兄ちゃんだったんだもんな‥』

そう言って良雄は亜矢子の唇に優しくキスをした。啄むように‥何度も何度も軽く触れるだけの優しいキスで亜矢子もだんだんと泣き止み、心も体もほんのり温まってリラックスしてきた。
リラックスしたところで良雄は優しく語りかけた‥

『亜矢子、ゆっくり目を閉じて‥‥ゆっくり深呼吸してごらん‥』

亜矢子はキスの余韻を残したままゆっくり深呼吸を始め、だんだんとゆったりとした良い気持ちで体から力が抜けていった‥

『だんだん力が抜けてくよ‥どんどん‥どんどん手足が重く感じてくるよ‥』

亜矢子はスーッと息を吸い込んでゆっくりフーッと吐き出した‥

『どんどんお腹の力も抜けて重くなってくるよ‥でも凄く気持ち良いはずだよ‥』

良雄の言葉は魔法のように亜矢子の体にスーッと浸透し、上を向いていた亜矢子の顔が左に少し傾いた。

『目の前に階段が見えたら降りてみようね。』
亜矢子は二回頷いた‥

『扉が見えたらゆっくり開けてごらん‥高校生の亜矢子がいるよ‥』

亜矢子はまた二回頷いた。閉じた目蓋の下で眼球がコロリと動いた。

こうして亜矢子は階段を少しずつ降りて中学生の頃の扉、小学生の頃の扉を開いていった‥

『亜矢子ちゃんは何年生かな?』

『3年生です。』

亜矢子の顔が少しずつ歪んできた‥頭をイヤイヤと振りながらメソメソと泣き出してしまった‥

亜矢子は良雄の退行催眠によって過去の自分に会いにいった‥

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