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誰よりも君を愛する
第34章 嫉妬②
『何が見えるの?』
『パパの写真‥天国へ行っちゃったの‥さみしいよぉ~』
『パパの事大好きだったんだね、大丈夫、パパは亜矢子ちゃんをずっとそばで見ててくれる‥』
亜矢子はまた二回頷いて少しずつ泣き止んでいった。
『今度は何が見えるの?』
『ママ‥怒ってる‥亜矢子がおねしょ‥したから‥毎日‥怒ってる‥』
『大丈夫だよ、おねしょなんて可愛いことだよ』
『おねしょ‥‥可愛い‥‥おねしょ‥』
『おねしょもお漏らしも亜矢子ちゃんが大人になって結婚したら旦那様は可愛がってくれるよ‥安心して』
『おねしょ‥‥可愛い‥お漏らし‥可愛い‥‥』
亜矢子は良雄の言葉を自分に言い聞かせるように何度も繰り返した‥
『そうだよ亜矢子ちゃん、おねしょもお漏らしも可愛い事。大人になったら旦那様にオシッコするところたくさん見てもらおうね‥』
亜矢子ははにかみながら頷いた‥
『今度は何が見えるの?』
亜矢子はまた目蓋の下の眼球をコロコロと動かした。
『カズお兄ちゃん‥遊んでる』
『何して遊んでるの?』
『おままごと‥亜矢子‥‥いつも病気なの‥‥カズお兄ちゃん‥‥治してくれた』
いよいよ和也の存在が出てきて良雄はこみ上げてくる嫉妬心を必死に堪え、冷静に質問をしていく‥
『亜矢子ちゃんはどんな病気なの?』
『‥亜矢子おねしょ病なの‥お兄ちゃん‥先生なの‥』
『お兄ちゃんはどうやって治したの?』
『おまじない‥‥おねしょの穴におまじない‥するの‥‥』
『どんなおまじないかな?』
『オシッコの穴に‥‥おまじないするの‥‥おねしょするな‥‥おねしょするな‥‥』
良雄は和也が亜矢子にした卑劣な子供のおままごとでは済まされないお医者さんゴッコに憤慨し、和也に対して殺意さえ芽生えた。