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誰よりも君を愛する
第37章 新たなる誓い

秋になり良雄と亜矢子の2人は結婚式の準備で忙しい毎日を送っていた。

『午前診療が終わったらすぐお母さんを迎えに行くよ‥お昼は3人で外で食べようか?』

今日は亜矢子のウェディングドレスを選びに行く事になっていた。

以前、亜矢子にサプライズウェディングを考えていた良雄だが、今日のドレス選びを亜矢子が凄く楽しみにしている様子を見ているとあの時勝手に決めなくて良かったとつくづく思った‥

仕事が終わり亜矢子の母親を迎えに行くと簡単な昼食を作ってあると言うので食べてから行くことになった。

『お母さん、この大きな箱なに?』

『うん、実はねぇ、お母さんが結婚式で着たウェディングドレスなの。貸衣装で良いって言ったのに将来絶対僕に娘が出来るからって‥親子で着て欲しいってパパったら無理して買ったの‥亜矢子がまだ授かる前によ?』

『見ても良い?』

箱を開けてみると純白のウェディングドレスが入っていた‥

亜矢子はそっとドレスの肩を摘んで胸にあてがった‥

『デザインも流行遅れでしょう?ただね、思い出して出してみたの』

亜矢子が立ち上がって箱からドレスを出すと小さな紙切れがヒラヒラと落ちた‥

それを良雄が拾い亜矢子に渡した‥

『亜矢子、お父さんから‥』

『ぇ‥?』


【僕の娘へ‥いつかキミが結婚する日が来たらこのドレスを着てパパとバージンロードを歩こう】

『パパ‥私のために‥』


小さなカードに書かれた父親からのメッセージに亜矢子は子供のようにわんわん泣いた。

『やだ、全然知らなかった‥あの人ったらいつの間に‥』

『亜矢子、ドレスはこれで決まったね』

亜矢子はドレスを抱きしめながら黙って頷いた‥

『良雄さん良いの?古いし、そちらの格式に恥をかかせるんじゃ‥』

『そんなことありませんお母さん、こんなに真心がこもったウェディングドレス、世界中どこを探してもないですよ。ありがとうございます。』

良雄は亜矢子と一緒に父親の仏壇に手を合わせた‥


‥亜矢子をよろしく


『はい』

『ぇ?旦那様ぁ?』

『今、お父さんに亜矢子をよろしくって言われたんだ』

『本当に?ありがとうパパ‥』

良雄の心に確かに亜矢子の父親からのメッセージが聞こえた‥
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