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誰よりも君を愛する
第37章 新たなる誓い
郊外の小高い丘の上に建つ教会の控え室、亜矢子は母に見守られて父親からのウェディングドレスに腕をとおした‥
『あの人ったらどうして娘が生まれるってわかったのかしらね‥綺麗よ亜矢子』
『ありがとうお母さん‥パパも天国で見ててくれてるわよね、きっと‥』
バージンロードの扉の前、義父が一緒に歩いてくれることになって待っていた。
『お義父さん‥』
振り向いた義父は亜矢子の父親の遺影を抱いていた‥
『おお、綺麗ですよ亜矢子さん‥』
『あ、パパの写真‥』
『バージンロードは父親と歩くって決まってるだろう‥さあ、行くぞ、亜矢子!』
『お義父さん‥ありがとうございます‥うぅっ』
『こらこら、泣くな‥お化粧が崩れちゃうぞ。良雄に怒られちまうよ』
父親の遺影を抱いた義父と腕を組んで、亜矢子は二人の父親とバージンロードを歩き出した‥
一歩、一歩、愛する良雄の元へ‥
‥幸せになれ亜矢子
義父から手離され良雄の手をとった時、亜矢子には亡くなった父親の声が聞こえた気がした‥
たくさんの人たちから祝福された結婚式と披露宴を無事に終えた2人は自宅に帰って来た。
『お疲れ‥亜矢子、普通に帰って来たけど本当に良かったのか?新郎新婦ならスイートルームに泊まるだろ普通?』
『だってお家の方が落ち着くもの‥今日はいっぱい愛されたいし‥』
『そうだね、この頃僕のお姫様はエッチの声が大きいからなぁ‥ホテルじゃ恥ずかしいもんな~』
良雄は花嫁の鼻をチョンチョンとつつくと風呂にお湯を入れに行った。
亜矢子は母親から譲り受けたウェディングドレスをハンガーに吊し眺めていた‥
「パパ‥私もうパパを思い出して泣いたりしません‥だって今日私はパパとお母さんの元から巣立ったんだもん‥良雄さんと温かい家庭を作っていきます。見守っててね。」
『亜矢子~お風呂入ろう!』
『ハーイ』