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誰よりも君を愛する
第20章 恋人リング
日曜日の朝早く亜矢子の検温をいつも通り行った良雄は前々から予定していたゴルフコンペに木下、田中等と連れ立って出掛けて行った。
『ごめんね、亜矢子。なるべく早く帰るから‥気晴らしに買い物でも実家でも好きにしなさい。』
『はい、旦那様頑張って来て下さいね、いってらっしゃい(笑)』
家事を終わらせると亜矢子はデパートに出掛ける事にした。
見て回るだけで欲しい物はないし、ケーキでも買って帰ろうとデパートから出た所で美波にバッタリと出会った。
『あら、亜矢ちゃん、偶然ね、どこに行くの?』
『あっ!美波さん、こんにちは‥先日はごめんなさい、これから帰るところだったんです。美波さんは?』
『私は裕子の誕生日が明後日だからプレゼントをね、注文したのを受け取りに来たのよ(笑)この後裕子が家に来るのよ、亜矢ちゃんも遊びにいらっしゃいよ(笑)』
亜矢子は美波の車で美波のレディースクリニックに連れてこられた。
『自宅は子供がいて落ち着かないのよね、あ、子供はベビーシッターがいるから大丈夫よ。クリニックのプライベートルームでお茶しましょ(笑)』
三階にあるプライベートルームに通された亜矢子はキラキラと目が輝く。
『わあ~素敵なお部屋ですねぇ~可愛い~』
『少女趣味かしら?』
白と淡いピンクで統一されたゆったりとした応接セットや、ダブルベット、ガラス張りのバストイレ全てがワンフロアで見渡せて本当にプライベートルームって感じだった。
一際目を惹いたのは大きなマッサージチェアのような‥真っ赤な革張りの豪華な椅子だった。
『適当に座って、お茶にしましょう‥もうそろそろ裕子も来るわ(笑)』
そこへ裕子が入って来て亜矢子には気づかず美波に駆け寄りキスをした。
『ん‥やだぁ‥亜矢ちゃんも来てたの?見られちゃったわね(笑)』
亜矢子は一瞬何が起きたのか分からず唖然と見ていた。
『ビックリしたでしょう?裕子ったらおとなしそうな顔してはしたないとこあるから‥』
『裕子さん、こんにちは‥先日はすみませんでした。』
『大丈夫よ。誰も気にしてないわ(笑)』
それから3人で学生時代の話や世間話に花を咲かせた。
『ところで美波‥プレゼント出来た?見たいんだけど‥ダメ?』
『仕方ないわね、はい、どうぞ(笑)』
美波は小さな箱を裕子に渡した。