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獣戦記 §ju-senki§
第2章 レキザン

(きた・・・)

ムツキは更に緊張した面持ちになり、静かに、ゆっくりと頷いた
その強ばった表情にキヨは「ほっほっ」と笑う


「おぉ、そんなに緊張せずとも大丈夫ですぞ。レアン様は民の信頼も厚く豪放磊落なお方、それにムツキ様の輿入れとあって今日はいつにも増して朝から機嫌が良いのです」


その言葉にムツキは少しぎこちなく微笑む。
緊張は解けないままゆっくり廊下を歩き出すと、華やかな装飾品や高そうな彫刻等が頓挫しているが、ムツキの目にはただただ奥に見える謁見の間であろう重厚感溢れる扉しか目に入らなかった。


「それではムツキ様、どうぞ奥へ・・・」


ギィ・・・・・・と重い音を立て、扉が開かれる


(ここまで来てしまった以上、僕に出来る最善のことをやるしかないんだ・・・)


そう決意を固くし
扉の先へと1歩 足を踏み入れた。



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