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獣戦記 §ju-senki§
第3章 レアン王


開かれた扉、豪奢な絨毯が伸びる先にある玉座
そしてそこに腰掛けているのは、体軀2mはゆうに超える立派な毛並みの、大きな狼獣人

眼光鋭く、射抜くようなアイスブルーの瞳にムツキは少したじろぎ後ずさろうとするも、気をしっかりと持ち直してお辞儀をし、頭を垂れた


「お初にお目にかかりますレアン陛下、半獣一族の長 グレンの息子、ムツキと申します」


威圧感に声が上擦る

レアンは玉座から腰を上げ、ゆっくりとムツキの目の前に歩み寄ると、片膝を地面につき、緊張で微かに震える肩に手を置いた



「・・・あぁ、ははは・・・そんなに怯えずとも良い、取って食おうなどとは微塵も思っていないのでな」



思いがけない言葉にムツキは思わず顔を上げた
すると先程とは違い、優しげに細められた瞳と目が合い、慌てて再び頭を垂れる。


「ムツキ殿、顔を上げてくれ。それでは話もし辛い故な。」


何処か楽しげな口調にムツキは恐る恐る顔を上げる


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