この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
獣戦記 §ju-senki§
第4章 忘れていた記憶


~12年前~


「此度の戦も大勝利でしたなぁ、レアン将軍!」


「ふ、俺に勝てるものなど到底居らぬよ」


当時20歳のレアン
未だ王位には就かず、一国の将軍に過ぎなかった
彼が出陣する戦は常に勝ち戦、頭も切れて腕っ節も強く、この頃から部下の信頼は厚かった


「そうですなぁ、常勝無敗、最強のレアン将軍に勝てるものなどおりませぬなぁ、はっはっは!!!!」








しかし











「くっ……傲ったな……」

ある時奇襲に会い、レアンは敵の弓に撃たれ 一人部隊からはぐれていた
すぐに合流しなければ、とは思うものの 撃たれた箇所が傷む

「格好の悪いことだ…」

うんざりして呟く すると

ガサッ ガサッガサッ

近くの茂みが揺れる
敵襲か?
そう思い、双刀を構える。しかし出てきたのは…


「…んぇ?」

小さな半獣の少年だった
籠に薬草を詰めているため、恐らく薬草取りの最中に、こんな戦地に近い場所まで来てしまったのだろう
緊張の糸が一気に解ける

「っ…はぁ……少年、ここは戦地が近い、早々に立ち去るが 「おじさん怪我してるの?」

レアンの言葉を遮り少年は近寄ってくる
おじさん その言葉に20歳のレアンは少なからず衝撃を受けていた

「ちょっと待っててね!!」

なにやら少年は籠をガサガサと漁り、取り出した木の実を近くにあった手頃な石で磨り潰す
そして出来たものを怪我に塗る

「っ!?」

「あのね、これね、おいしゃさまのトウガ先生がおしえてくれたの!!えっと、えっと、しけつ?あと…なんだっけ…ち、ちんつう…?」

止血効果と鎮痛効果か
と言うと

「そうそれ!!おじさんも物知りさんだね!!」

と得意そうに笑う
確かに出血は止まったし傷みも薄れてきた



こんなところで小さな少年に救われるとは…私もまだまだ、か
小さく笑い、レアンは少年の頭をなでてやった



「少年、どこの村の子供だ?」


「ぼく?ぼくはそこの村に住んでるの!!ムツキだよ!!」


ニコニコ笑い「あっち!!」と指差すムツキ


「そうか…ムツキ殿、感謝する!この礼は改めてしよう!」


「おじさんもういっちゃうの?」



大丈夫かと心配するムツキの頭をレアンはもう一度撫で、近くに繋いでいた騎馬に乗り
風のごとく走り出した



/22ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ