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第7章 Turning point of love！

　
「俺に遠慮するな。俺もお前を友達として頼るから。だからお前も、片肘張らずになんでも言え。な？」
「……わかりました」
「とりあえずは、その言葉遣いだ！　鹿沼のようなため口オンリーにしろ！」
「いや、でも……あなたは年上の社長で、俺は……」
「天下の忍月財閥の跡取りがなにを言う！　お前にとっての友達の定義は、そんな他人行儀に畏まった言い方をするのか？」

　……多分、彼も酔っていたのだと思う。
　だって今在るジョッキは、お互い四杯目だし。

「わかり……わかった。だったら結城さんも、遠慮無く」
「おー、それでこそ俺のダチだ。景気づけにポン酒行くぞ！」
「まだ飲むのか!?」
「義兄弟の契りは、日本酒と相場が決まっているだろうが」
「いやいや、別に俺達義兄弟になるわけではないから！」

　しかし彼はもう注文をしていて。

「幸せになろうな、香月！　鹿沼に絶対ブーケは衣里に飛ばすように重々言っておいてくれよ？　年功序列を重んじて、決して三上にやるなと！」
「それは……真下さんが幸せになっても、結城さんが幸せになるとは限らないんじゃ……」
「幸せになるんだよ、俺も！　なりたいんだよ、あいつと！　衣里だから前に進んで行けているのに、どうしてあいつとの仲は進んで行かねぇんだよ！」

　ああ、もう彼は泣き上戸だったっけ？
　それとも、どん詰まりなのだろうか。

　運ばれてきた冷酒。おちょこを手にしてふたりで呷る。
　一緒に来た梅冷や奴が美味しい。

「結城さんが彼女に、好きだと言えばいいだけの話じゃ？」

　もぐもぐと口を動かしながら、手酌をしておかわりをしようとしていた結城さんの手からお銚子を取り上げて、彼のおちょこに注ぐ。