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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
 
「え?」
「……暗い顔をしている」
「そんなことないって! あたし元気だし! 女子だけで、とっても楽しかったし」

 すると朱羽は僅かに拗ねる。

「俺がいなくても楽しいと言われてる? それとも俺がいない方が楽しいと、言われているとか?」
「全く、言われてません!」
「まさか……女子会でナンパしてきた男を気になっているとか……」
「ないないない! ありえないから!」

 心配症の朱羽が、じとりとあたしを見て言った。

「じゃあなにがあったんだよ」

 妊娠したかも……なんて不確定なことが口に出せないあたしは、もっともらしい理由を必死に探して、口にする。

「実は……、衣里と結城のこと。どうすればふたりがくっつくかという話になって。思っていた以上にふたり、進んでいなくてさ」

 ごめん、衣里。
 利用させて貰います。

「衣里が結城を意識するあまり、どうしてもふたりきりになれないみたいだから、皆で海に行って、衣里と結城を自然といい雰囲気にさせたいねって。このままだと、〝待て〟を強いられ続けて、結城がミイラになりそうだから」

 友達を心配する気持ちに、嘘偽りはない。

「ああ、それか。結城さんも深刻で……」

 すると朱羽は、すんなりと話に乗ってきて、結城から恋愛相談をされたことを話始める。
 結城は結城で困っているんだろうけれど、付き合い長いあたしではなく、朱羽に相談しているということが、嬉しいようで寂しいようで。

 あたしだって、結城の友達なのに……。
 
 しかし――。
 朱羽は、一見インテリ美形で近寄りがたいオーラがあるというのに、木島くんといい結城といい、普通に恋愛相談をしているのが不思議だ。

 まあ、信頼を寄せられている証拠でもあるのだろうし、朱羽は朱羽で邪険にしないで真剣に相談に乗っているようだから、さらに頼りにされるのだろうけれど。

 ……渉さんとは違い、そういうのは、不得意そうに見えるんだけれど。
 
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