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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!

Hina side

 沖縄。
 あたしが一度は行ってみたいと思っていた、憧れの南国。

 少し暑いけれど、年々蒸し暑くなる東京で暮らしてきたあたしにとっては、全然平気。

 澄み渡った青空に、白い砂。
 エメラルドグリーンとコバルトブルーのグラデーションの海。

 雑多なビル群もなく、大自然に囲まれた素晴らしき環境――。

「なんで、沖縄に来ているのに、海に入れないのかしら……」

 お預けを食らったワンコの気分。
 楽しそうな皆を遠目に見ながら、あたしはパラソルの下で体育座り。

「あたしだって、朱羽とイチャイチャしたいのに……」

 朱羽はいつも、まっすぐに愛情をぶつけてくれる。
 彼の世界に友達という特別な存在ができはじめても尚。

 触れあえないことに寂しく思っているのは、朱羽だけじゃない。
 相手への愛の大きさを自覚しているのは、朱羽だけじゃない。

「でもお腹を触られるだけで、どうしても反射的にびくってなっちゃうのよね……」

 太ったこと、妊娠したかもしれないこと……秘密を抱えたあたしのお腹。
 それを不用意に、愛おしげに触れないで欲しい。
 それはもしかすると、朱羽にとって最悪な結果を生むものになるかもしれないのに。

 あたしはまだ、朱羽に告げる勇気もなく、確実性はないからと逃げているばかりだけれど、本当は朱羽にもこの不安な気持ちをわかって貰いたいよ。

 だけど、勝手に妊娠したかもしれないあたしが、そんな面倒ごとを朱羽に押しつけられるわけないでしょう?

 朱羽は優しいから。
 絶対、本音を呑み込んで、あたしを傷つけないようにするから。

 それは……、これから結婚する恋人じゃない。
 ただの同情で、いずれ朱羽の重荷になってしまう――。

「陽菜」

 朱羽の声がすると共に渡されたのは……パイナップルを半分に切ったもの。中はくりぬかれて、黄色のシロップが乗ったかき氷が山盛り。

「パイナップル味だって。それにココナッツ練乳とかいうのかけて貰った」 

 うわーうわー、なにこれ。
 食べたい。めちゃくちゃ食べたい……けど、食べられない。

 ジェット機に乗っていた時から気分悪くて、ホテルについてトイレで吐いてしまったんだ。今も景色を見て幾らか吐き気は落ち着いてきたけれど、でもお腹に鈍い痛みがあるから。
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