この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
 
 渉さんの口笛。
 一番前でガン見する木島くん。

 はしゃぐ杏奈と沙紀さん。
 背を向けてスタスタと去っていく向島専務。

 そしてあたしは……大泣きで朱羽に抱き付いた。

 大好きな友達ふたりが、今……結ばれた。
 
 あたしはお腹を撫でて、語りかける。

 ねぇ、聞こえてる?
 あれがあたしのベストフレンド達なの。

 いつかあのふたりの子供とあなたも、親友にさせてあげたいな……。

 どくっ。

 お腹の奥が動いた――そう思った瞬間、痛みが走る。

「鹿沼ちゃん!?」

 杏奈の声が遠くに聞こえる。

「陽菜ちゃん……血……。血が流れてる!」

 流産――そんな言葉が思い浮かんで、あたしは激痛の最中で譫言のように叫ぶ。

「……赤ちゃん、あたしの赤ちゃんを助けて……!」





 目が覚めると病院だった。
 皆が神妙な顔をして立っている。
 朱羽があたしの手を握りしめて、微笑んだ。

「気分はどう?」

 重い空気にあたしは、直前のことを思い出して言った。

「赤ちゃんは……あたしの赤ちゃんは?」

 皆が唇を噛みしめる。
 朱羽が悲しげな顔で、あたしの頬を撫でた。

「陽菜、よく聞いて欲しい。赤ちゃんは……」

 ねぇ、まさか。
 ねぇ、そんなことないよね。

 だって祝福されていたの。
 あたし産みたいと思ったの。
 赤ちゃんも、喜んでくれて――。
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ