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Oshizuki Building Side Story
第4章 Brother complex Moon ①
どんなイケメンだろうと、考えていた時、朱羽の声がした。
「……ねぇ、陽菜」
ぞくっ。
メガネの奥の茶色い瞳が、冷ややかな光を宿したまま笑っている。
目は笑っていないのに、笑った!!
怒ってる!?
とっても怒ってます!?
「俺、聞いてないよ。陽菜があんな男の曲を好きだなんて」
「さ、最近聞いてなかったし」
怖いよ、ちびっちゃうよ!!
「じゃあいつもは聞いていたわけだ? 何年好きだったんだ? ん?」
ひいぃぃぃぃぃっ!!
冷視線にあたしは仰け反る。
そこに渉さんが悪乗りして。
「なぁ、朱羽、カバは須王のファンなんだってよ。大興奮だったぞお前の兄で。このままなら、カバ須王のところに行くんじゃないか!?」
怒・髪・天!!
「ち、違う違う! 渉さん、なんでそんなこと「えええええ!? 早瀬須王って、渉の弟だったの!?」」
あたしの言葉に被せるようにして、食いついたのは沙紀さん。
「ねぇ私、会ってみたいんだけど! ねぇ、陽菜ちゃんもそうよね!」
「あ、あたしは……」
須王さんの興味より、この眼鏡が怖いんですけど……。
死んでもいいですか?