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第1章 プロローグ

　地球。
　光と水と幾憶の生命が溢れる美しい惑星……
　様々な人々が出会い、悩み、無き、幸せを分かち合う世界。
　だが今やこの地球は最大の危機を迎えていた。

　ドオオオンッ！

　耳を劈く爆音が轟き、空に黒雲が舞った。
「うわあああ――っ！　ヴァイスだぁぁ――っ！」
　人々は恐怖に逃げまどいながら街を破壊する一団の名を叫んだ。
　ヴァイス――　今やこの国、いや全世界で知らぬ者はいないだろう。

　それらは突然現れた。
　平和だった地球の青い空をガラスのように砕き、巨大な戦艦が飛び出した。
　白い鬼の様な形相の剥き出しの臼歯の船首、船体には無数の昆虫の様な足が生えた不気味な黒い戦艦から無数の武装集団が降り立った。
姿形は人間と同じだが黒い全身タイツと黒いプロテクター、額に逆さに描いた五亡星に髑髏が重なった紋章が彫られた黒い単眼のゴーグルのヘルメットを被った者達が右腕の籠手に取り付けられた大砲の様な武器で辺りを破壊し始めた。
　人類が長い年月をかけて作り出した街はあっという間に瓦礫の山と化し、多くの人々が血を流し、さらに電波ジャックで全世界に宣戦布告が言い渡された。
『我らはヴァイス、全次元を支配する者――　今より地球はヴァイスの支配下となる、地球人は武装を排除、ヴァイスに従え』
　それから各国の首脳は話し合うが、世界中の主要都市にヴァイスは出現、破壊の限りを尽くした。