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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第8章 君を追って!!
中には確かに、鍵と住所の書かれた紙が入っている。
鍵と住所……。
それは俺が考えていたよりも、ずっと多きな収穫だった。
「ありがとうございます。これで姉を助けられるかもしれません」
俺はそれを握りしめると、村田さんに頭を下げた。
「……これは僕の勝手な思いなんだけどね」
ふと、村田さんの声音がまた一段と低くなる。
「多分、今お姉さんを助けるなら、佐久間さんの家に直接乗り込むことになるでしょ? それは、すごく危険なことだと思うんだ」
村田さんの眼差しは、真剣だった。
「僕は確かに君のお姉さんを助けるためになら、何でも協力したい。だけど、それと同じくらい君にも危険が降りかかってほしくないんだ。だから、約束してほしい」
ふと、佐久間さんの目尻が下がった。
「危険なことになりそうだったら、すぐに逃げるんだよ。勿論お姉さんの身も大事だけど、君自身のことも大事にしてね」
「分かりました。本当に何から何までありがとうございます」
俺は再度頭を下げ、お礼を言った。
「それじゃあ、俺はこれで失礼します」
俺はそう言って、立ち上がった。
「あ、そうそう……これは僕の口から言っていいことかどうか分からないけど……」
ふと靴を履く俺の背中に、村田さんの声が降ってきた。
俺は振り返って村田さんを見上げた。
村田さんは、はにかんだように笑っている。
「僕自身が、周りから多少なり好奇の目で見られることのある恋愛をしてるからさ、矢作さんと恋愛相談だとかをしてたんだ。矢作さん、僕以上に恋愛しにくい相手に恋してるらしいから」
「え……?」
俺は村田さんの言葉が何を意味するか、分からなかった。
「多分、そんな相手に迎えに来てくれるなら、結果はともかくそれはとっても嬉しいことだと思うんだ。だから」
村田さんは優しい笑顔を浮かべた。
「行っておいで。というか、僕からもお願いする。矢作さんのこと、よろしく」
「……はい」
玄関まで送ってくれた村田さんが、背後でずっと手を振ってくれていた。
俺はそれを背中に感じながら、街中を駆け出すのであった。
その間俺は、村田さんの言葉をもう一度反芻していた。
そっか、姉貴も俺のことを……。
それを知れたことが、ある意味では一番嬉しかったのかもしれない。
俺は今一度姉貴の顔を思い出す。
姉貴の本心を知れた。
鍵と住所……。
それは俺が考えていたよりも、ずっと多きな収穫だった。
「ありがとうございます。これで姉を助けられるかもしれません」
俺はそれを握りしめると、村田さんに頭を下げた。
「……これは僕の勝手な思いなんだけどね」
ふと、村田さんの声音がまた一段と低くなる。
「多分、今お姉さんを助けるなら、佐久間さんの家に直接乗り込むことになるでしょ? それは、すごく危険なことだと思うんだ」
村田さんの眼差しは、真剣だった。
「僕は確かに君のお姉さんを助けるためになら、何でも協力したい。だけど、それと同じくらい君にも危険が降りかかってほしくないんだ。だから、約束してほしい」
ふと、佐久間さんの目尻が下がった。
「危険なことになりそうだったら、すぐに逃げるんだよ。勿論お姉さんの身も大事だけど、君自身のことも大事にしてね」
「分かりました。本当に何から何までありがとうございます」
俺は再度頭を下げ、お礼を言った。
「それじゃあ、俺はこれで失礼します」
俺はそう言って、立ち上がった。
「あ、そうそう……これは僕の口から言っていいことかどうか分からないけど……」
ふと靴を履く俺の背中に、村田さんの声が降ってきた。
俺は振り返って村田さんを見上げた。
村田さんは、はにかんだように笑っている。
「僕自身が、周りから多少なり好奇の目で見られることのある恋愛をしてるからさ、矢作さんと恋愛相談だとかをしてたんだ。矢作さん、僕以上に恋愛しにくい相手に恋してるらしいから」
「え……?」
俺は村田さんの言葉が何を意味するか、分からなかった。
「多分、そんな相手に迎えに来てくれるなら、結果はともかくそれはとっても嬉しいことだと思うんだ。だから」
村田さんは優しい笑顔を浮かべた。
「行っておいで。というか、僕からもお願いする。矢作さんのこと、よろしく」
「……はい」
玄関まで送ってくれた村田さんが、背後でずっと手を振ってくれていた。
俺はそれを背中に感じながら、街中を駆け出すのであった。
その間俺は、村田さんの言葉をもう一度反芻していた。
そっか、姉貴も俺のことを……。
それを知れたことが、ある意味では一番嬉しかったのかもしれない。
俺は今一度姉貴の顔を思い出す。
姉貴の本心を知れた。