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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第8章 君を追って!!
今では前と同じように部活動に参加している。
「姉貴のことなら心配ないから。今姉貴の知り合いの人が最善を尽くしてくれてる」
その言葉は同時に、俺自身に対して言い聞かせるものでもある。
まだ希望は残っている。
それまで俺自身が挫けてしまわないように、何度も自分自身に語る言葉なのだ。

その日の夕方。
俺は村田さんから聞いた住所に向かった。
新築のアパートの一室。
そこが村田さんの住んでいる場所らしい。
俺はそのアパートの前で待っていた村田さんに連れられて、彼の住む部屋に案内された。
「ここ、僕の恋人の家なんだ。僕はここで間借りさせてもらってるの」
村田さんの住む部屋に入れて貰うと、そう教えて貰った。
部屋は清潔で、よく整頓されている。
ベランダにはサイズの違うシャツや寝巻きが、日光を浴びていた。
俺は村田さんに言われて、部屋の中央に置かれた座卓の前に座った。
冷蔵庫から2リットルペットボトルを出して、冷たい緑茶をグラスに注いでくれた村田さんが、俺の正面に座る。
「それでね、佐久間さんのことなんだけど」
村田さんは俺の正面に座るなり、単刀直入に話を始めた。
「前にも言ったけど、佐久間さん、複数の女の子に声をかけては手酷い扱いをしてきたんだけどね……確か僕達が一年生の頃の秋頃だったと思う。佐久間さんが偶然、矢作さん……君のお姉さんと同じコマの授業を取ったんだ。多分、その時に君のお姉さんに目をつけたんだと思う」
村田さんは自分のグラスに入れた緑茶に口をつけた。
「最初は授業の話をしていただけなんだけど、段々食事とか遊園地とか……まぁ要するにデートに誘って来はじめたんだよね。最初は矢作さんも適当に受け流してたんだけどね、どんどん執拗になってきて……それどころか、昔佐久間さんと関係があった女の子達からも逆恨みされることもあった。全部佐久間さんが卒業してからは無くなったらしいけど」
そこまで語った村田さんは、手近にあった鞄の中から掌に乗るほどの紙袋を取り出した。
「ここに村田さんのマンションの鍵と、住所が書かれた紙が入ってる。村田さんに痛い目を見せられた子の一人が、事情を聞いたら協力してくれた。自分の情報は君や他の人達に教えないって条件で。勿論、その子には君や君のお姉さんの情報は言ってないよ」
俺は村田さんから紙袋を受け取った。
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