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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第9章 繋がって!!
俺はその日の日暮れ、村田さんから貰った住所を頼りに、とある高層マンションの前に来ていた。
(ここに姉貴が……)
俺の頭の中では、色々な思いが沸いてきた。
佐久間先生に対する怒りと、幾らかの恐怖。
それでも俺は行かなければいけないのである。
(とはいえ……)
ここまでほとんど勢いで来てしまったとはいえ、これから敵の本拠地に乗り込むのである。
全くの無策というわけにはいかないだろう。
俺は考えを巡らせた。
さすがに佐久間先生本人と鉢合わせはまずい。
乗り込むなら、先生が不在の時を狙った方がいいだろう。
しかし、それを確認する術は……。
俺は辺りを見回した。
ふと、マンションの足元に地下駐車場への入り口が目に入った。
俺は迷うことなく、その中へ駆け込んだ。
駐車場は高層マンションのものであるためか、広大であった。
けれど全ての車を確認できない程の広さじゃない。
俺は駐車場を巡り、車を一台ずつ確認していった。
佐久間先生の車は見当たらない。
どうやら今は外出中のようだ。
それを確認すると、マンションの中へ入った。
駐車場への出入口になっている、金属の扉を村田さんから貰った鍵を使って開けた。
そしてエレベーターに乗り込むと、佐久間先生の住んでいる部屋がある階まで上がった。
エレベーターにいる間、一つずつ上がる階層の表示すらも俺はもどかしく感じていた。
そうこうしている内に、エレベーターは目的の階へと着いた。
心臓が痛いほど鳴っている。
俺はエレベーターから降りると、それを落ち着かせるために深呼吸を一つした。
そして佐久間先生の部屋を探す。
(あった!!)
村田さんから貰った住所に書かれてあるその部屋の前まで、足音を忍ばせて素早く歩く。
そして鍵を差し込んで回す。
錠が軽やかな音を立てた。
(よし……)
俺はそっと扉を開けて、その部屋の中の様子を伺った。
電気は点いておらず、物音一つしない。
佐久間先生はいないだろう。
俺はさらに扉を開けると、その中に体を滑り込ませた。
そして脱いだ靴を手に持って、部屋の中を歩き始めた。
光源に乏しい部屋の中を、俺は一応足音を立てないように歩いた。
まるでモデルルームのような、生活感の感じられない部屋だ。
そして人の気配も今のところ感じられない。
もしかしたら、佐久間先生にどこかへ連れ出されている可能性も……。
「……姉貴?」
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