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愛欲の部屋
第1章 プロローグ
 男たちの手が離れ、私は胸と下を隠すように、そこにしゃがみ込んだ。
「トイレに行かせて」
 と私は言った。
 もう限界だった。
「貴女のトイレは、これよ」
 プラスチックのバケツがそこに置かれていた。
 それに跨がってやる様を想像すると、脳の芯が痺れた。
「無理です、トイレに行かせて」
「だから、貴女の今日のトイレはこれなの。それともそこでお漏らしする?」
 最初の一本から20分以上の時間が過ぎていて、もう限度だった。
 私はそれに跨がった。
 女たちの忍び笑いに、バケツの底を打つ水音と、私の泣き声が絡まった。
 噴出が止むと、ミキは、
「もういいの?」
 良くなかった。まだ残ってる。出したい。
 私は必死で頭を振り、今度は固形物を出した。
 これまでとは異質な音に、再び忍び笑いが起きた。
 そして自分では止めようのない奔流が……
「もういいのね?」
 ミキはバケツを奪うと、男女一人一人に見せて回るのだった。
 女たちは顔を背け、鼻をつまんだ。
 私は屈辱に肩をふるわせて泣いた。
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