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愛欲の部屋
第4章 性奴隷へ
 ミキと私は自分たちの客を持つようになった。
 相手は必ずカップルで、男をコンテ(伯爵)女をコンテッサ(伯爵夫人)と呼び、プレイの内容はミキと私が提案した。
 これが受けて、私は数千万の入った通帳を何通も持つようになった。
 大学入学の歳には、もう一生働かなくても良いような額が入っていた。
 けれど、世の中、そう甘くない。
 甘くないどころか、ツケはかならず払わされる。
 アキラと連絡が取れなくなり、事務所から、入院したという話を聞いた。
 見舞いに行くと、面会謝絶、あちこちから聞いた話を総合すると、新種の、それも性行為で伝染するウイルスに感染したのだという。
 新種のウイルスなので、定期検査でも見つからなかったのだと。
 このウイルスのやっかいなのは脳を破壊することで、それも新皮質から侵していくという。
 つまり、まずは理性が破壊され、欲望のままに振る舞うようになる。
 過去のことを何でも話してしまう。
 人間関係はズタズタになる。
 その状態が何年も続く……
 感染しての発症率は7割。
 致死率は現在の所、5年以内で99%。
 私も検査を受けた。
 案の定、感染していた。
 今の私から理性が失われたら……
 生きていられない……
 これまで生き恥をさらして来れたのは、それがプレイだったからで、現実に、現実の人間関係の中で浣腸や鞭や陵辱が出来るわけがない。
 そんなことを口走れるわけがない。
 けれど、そうなってしまう……
 そんなことになるまえに、なんとかしなければ。
 私は決意した。
 雑誌で見た、イスラム国の性奴隷になることを。
 前に観た本物の性奴隷の存在に、私は心から怒りに震えた。
 こんなことが本当に許されて良いわけがない。
 私の稼いだ金をイスラム国との戦いに使おうとさえ思った。
 だから、この体を、ウイルスに冒された体を武器に、イスラム国と闘おう。
 私はパスポートを申請し、受け取った。
 そして……(終わり)  
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