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君を好きにならない
第2章 真琴!死ぬなよ!

こんな一面もあるのか…。



残りのコーヒーを
流し込むと

俺はふと
あいつのことを思い出していた


仕事が好きだったな…あいつも


よく部屋でも仕事してて
こんな顔
してたっけ


それなのに
仕事が終わって
一緒に酒を飲むと
やたら顔を緩める奴で…


あいつ


今は
どこで
どーしてんだろ…


(苦笑)


忘れらんねーな
あいつのことだけは

あいつは
俺のこと

忘れたくて
たまんねーんだろうけど…



「向井さん」


「あ、な、なんだ?」


慌てて真琴に
視線を合わせると
緩みのない顔の真琴が
俺を見ていた


「次は…」


そんな目で
真っ直ぐ俺を見んなよ…


「次はどこに行きますか?
あ、それから
コンビニに寄っていいですか
ノートを買いたいので」


手ぶらで来ていた真琴は
メモをとるノートが欲しいようだ


「あ、あぁ、わかった
コンビニ行くまでに
次行くとこ考えとくな
まだ
なーんも決めてねーから」


「え、えー?!!」


驚く真琴は
またいつものように
ちょっと抜けたような
顔を見せた


「仕方ねーだろ?
お前を連れ出すことに決めたのも
さっきなんだから」


「あ、そー…ですよね(笑)」


さっきまでの
真剣な顔はなんだったんだ?

そう思うほど
真琴の頰は緩み
俺に八重歯を見せた


「とりあえず行くぞ、コンビニ」

そう言って
俺が急いで席を立ったつと

「あ、はい!」

真琴も慌てて席を立つ


勘弁してくれよ


これ以上
お前のこと
見てらんねーよ



お前のことを



どうにもできねーのに

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