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君を好きにならない
第14章 好きの意味

「そんなこと言うと
ほんとに
しちまうぞ」



「してくれよ

したいと
思ってたんだから

マサシって奴となんて
して欲しくなかったんだから」



言ってしまった


咄嗟にそんなことを
言っておきながら
僕の鼓動は急に激しくなって
それが気になって
次の言葉が出てこない

キスなんて
久しぶりだし

男の人となんて
したことないし
向井さん…だし…


き…緊張する


でも


したい



「真琴…」



向井さんは
ガチガチな僕の頰に
そっと触れて
ゆっくりと顔を近づけ

小さな声で呟いた



「ほんとにいいのか?」



「…うん…」



「気持ち悪かったら
言ってくれ」


その言葉に
小さくうなずくと

向井さんは

僕に

そっと触れるような
キスをくれた



緊張して
頭が真っ白になったけど
僕、分かってたよ


その時の
向井さんの唇が

少し

震えてたこと。



だから
僕からもう一度
キスをしたんだ


「もっとしたい」


そう伝えて。
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