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エリュシオンでささやいて
第2章 Lost Voice
 


 
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 Elysion(エリュシオン)――。
 
 ギリシャ神話で、世界の西の果てにある死後の楽園・極楽浄土のことで、神々に愛された英雄や高徳な人間が死後に幸福な生活を送ることが出来る野のことであり、至福者の島のこと。

 雨も雪も嵐もなく、穏やかな西風がそよぎ、果実は豊かに実り、かつて冥府の王ハデスに愛されたレウケが転身した、白ポプラの樹が茂っていると言われている。

 エリュシオン入りの審議をするのは、ハデスと、その部下であり生前高潔な人間であった、ラダマンテュス、ミノス、アイアコスの3人の判官であり、ヘルメスによって世界中から拾い集められた魂は冥府へ旅立ち、エリュシオン(楽園)行か、タルタロス(地獄)行か、それとも冥府に彷徨うかをを決められる。

 フランスの"Les Champs-Élysées(シャンゼリゼ)"のÉlysées、シャンゼリゼ通りに面する、フランス大統領官邸のエリゼ宮(le palais de l'Élysée)の名称も、エリュシオンに由来する。

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