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青い残り火
第11章 第11章
バスケ部顧問の中尾と立ち話をした後、一馬は着替えの入ったバッグを肩に掛け、校庭を歩いた。
肩を落として帰る芽衣を見ていただけの自分は冷たいだろうかと、同じ道筋を辿りながら考えた。

美弥さんにも酷い事をしたな……

芽衣も美弥のように怒りに震えて怒鳴り散らしてくれた方が良かった。自分の本心を受け入れてくれたのかどうか、暫く様子を見るしかなかった。
憂鬱な気分で新学期を迎えるのは嫌だったが、国語の授業に出れば西崎に会える。
芽衣に、でも無理、と言ったのは、正論で説き伏せようとしてくる彼女を黙らせる為だった。
口出しをしてほしくない。
一馬は今更ながら、芽衣と同じクラスでなかった事に胸を撫で下ろした。

「私が受けとるわけにはいきません」

あれは当然の言葉だと一馬は思い直していた。生徒の作品を生徒に返却すること。それは当たり前の事で、誰に対しても同じ態度で接するに決まってる。

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