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第11章 第１１章

三島が西崎の尻を持ち上げる度に、三島が西崎の乳首を吸う度に、一馬の嫉妬と怒りが燃え上がった。

触るな……

押し合う肌の下では、三島の肥大した陰茎が西崎澪の腟の奥深くに突き刺さっている、ずっしりと｡

やめろ、やめてくれ……

互いを見つめ、手や口を使って優しい愛撫を交わし、愛しい相手が高まってくるのを切なく待ちわびている。
二人は求め合い、愛し合っていた。そこには誰であろうと、入り込む余地などない事を彼に教えていた。

一馬はこの先どう足掻いても、西崎澪の心が自分に向く事はないのだと悟った。

俺って……ばか……

彼は肩を落とし、項垂れ、古びた辞典を足元に置いた。
せめて二人の邪魔にならないように、静かに立ち去るしかなかった。