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青い残り火
第13章 第13章
「まだなにか質問?」

「この、三島省吾って先生、年はいくつぐらい?」

総子が指差したページには、卒業までの三年間に彼らが関わった教師の名が並んでいた。
聞きたくない名前を口にする母に面食らった一馬だったが「たぶん、三十才は少し越えてる」と、曖昧に答えた。

「そう。彼、日本に戻ってきて美術の先生になったのかな」

教科を確認した母に、一馬は「そういえばイタリアにいたって誰かが言ってたけど知りあい? もしかして教え子? 」と声を上擦らせながら訊ねた。

「それなら間違いないわ、名前の字も同じだし。母さんね、彼の妹の担任だったのよ」

「えっ、 妹?」

どうやら総子は、姓が変わっている西崎澪には気づいていないらしかった。

「十五年ぐらい前のことだから、もう三十才か……今どうしてるかな」

ため息混じりに呟いた彼女は、必死に平静を装っている息子の心など知るよしもない。

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