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青い残り火
第13章 第13章
「嘘だろ、母さん何人教え子がいるんだよ。そんな昔の話、ほんとに覚えてるの? 」

彼はその先を知りたくて母を煽った。

「あら、当たり前じゃないの、可愛い教え子だもの。特に三島さんは印象深い子だったし」

思わず母親の前に座って身を乗り出した一馬は、慌てて体育座りに変えて気のない振りをした。

「へぇー、凄い不良だったとか?」

「違うわよ。……あの子は大人しいけどしっかりした、真面目で、凄く綺麗な女の子だったわ」

事務室で見た少女がそこに現れた。

三島は放課後学校に残ってあれを描いていたのだろうか
笑っていた妹を想って──

「親の離婚って、子供をあんなにも変えてしまうのね」

「え?」

「家庭内の詳しい事情はわからないけど、中三の夏休み前にご両親の離婚が決まって、三島さんとお母様が学校に事情を説明しにいらしたの」

一馬は総子の言葉を一字一句聞き逃すまいと集中した。

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