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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第9章 本社内はトラブルだらけ



遠藤の方は、中に入って来て驚き顔‥
それはそうだろう、朔夜叔父は傷だらけ、美紀は私にくっ付いてダウン中、社内でなかなかあり得る光景では無い。



「秘書課から薬箱を探して来ます」


すぐさま状況を理解し、迅速に行動するのが遠藤の良いところ‥
ついでに余計な事も言わない事も‥‥



「さて‥どうするかね‥
叔父の傷の手当てはともかく、会長室での仕事を放置する訳にもいかない」


「起きたらまた騒がないのか?」


「それは無いと思うが、まだ皇が残っていたね?」


今、皇に悟られる訳にも‥
前ほど不信な動きをする事は無いが、美紀が毎日社内に居ると気付かれたら、必ず介入して来るだろう。



「ああ‥
俺の手違いで、このフロアーに上げた嬢ちゃんと皇が話をしていたんだ‥
何を話していたのかは知らん、ただ皇は嬢ちゃんの話に耳を傾ける素振りは見せていた」


「皇が‥ね‥‥
そうそう1社員の話など聞かないというのに‥」


「話していないんだろ?」


「ああ・・
皇の耳には入れていない」


「という事は、嬢ちゃん自身の力‥
本当に何を話したのやら・・」


皇から見れば、美紀は普通の1社員‥
だというのに話を聞く気になったとは、普段の皇には殆ど無い事。


とはいえ、しっかりした意志と道が通っていれば、1社員の話でも聞く‥それが皇という男だというのも理解している。



「全てに於いて悪人という訳では無い‥
皇の場合は必要悪、重役に皇のような人種もいないと、会社というのは成り立たないものだ」


叔父には話していないが、皇は自らが買って憎まれ役をしている‥
随分前の話‥皇はそれで納得した。



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