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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第9章 本社内はトラブルだらけ



「来てくれてありがとう紀永‥
もし紀永が来てくれていなかったら、私‥もっととんでもない事をしていたかも知れなかった」


「たまたまEAホテルに居たんだよ、仕事だったのだが‥
逆に仕事で出ていたから、早急に駆け付ける事が出来たのだがね」


「珍しいね、紀永が出るなんて‥‥」


殆ど外は無い筈なのに?



「ああ・・
朔夜叔父と交代していたんだ‥
似ているから、初めて会う交渉相手とかにはバレにくいのを、たまに利用して交渉の手筈を整える‥‥
叔父より私の方が交渉事は得意範囲、面倒な交渉なんかは、私がやる時があるんだよ」


「・・・
そりゃ私でさえ、寝ぼけて間違えたくらいだから・・」


「そういう事‥」


確かに紀永と朔夜叔父様は、顔立ちも雰囲気も似ている‥
プライベート紀永は別だけど、こうして早乙女会長をやっている時は、遠目なら普通は分からない。



「毎回交代して?」


「いや、本当に厄介な時だけかな?
たまにはね面白いよ、私はあまり出ないから、叔父の振りも悪くない」


「紀永が朔夜叔父様の振り‥
くすっ‥本当に振りかな?
元々の話し方が違うのに‥‥」


「まあ‥違うね‥
だが公的には、お互い似せるようにして来たから、知らなければ感づかれないもの‥
普段の叔父はああ口悪いが、出るところに出れば、意外に高圧的な態度を取る‥私のように、向こうが真似たのだけど‥‥」


「なるほど・・・」


そういえば、櫻井さんと話していた朔夜叔父様の態度‥
あれって、一人称は違うけど、紀永の口調に近かったと思う。



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