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イタズラな満月(フルムーン)
第17章 last moon…優しき輪廻
そう言いにこりと笑いかけた雅の言葉を受けて、ヌエバは微笑み返してその場を後にすべく家を出た。その扉の外にはうっすらと透けた様な、しかし、雅達の目には映らない姿があった。

「さて…君はあの言葉にどう答える?」
『…ッッ…!』
「しかし、アブリエータになる前に見つけ出さなくてはね。」
『…見つけるよ、…必ず…』
「悪いな、そろそろ私のエゴも限界らしい。さぁ…」
『ありがとう…ヌエバ…』

そういうと、そっと背中を押されたユトはそのまま風景に溶け込むように消えていった。

「全く、不器用な奴だな。」

そう呟いたヌエバも自身の世界に戻るべくそっと空に飛び立ち、すぅっと上っていった。


それから数時間経った夜。ふっと目を覚ました雅の目に映ったのは白く冷たい…病室の天井だった。
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