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第8章 夏―2.9

土曜日。。。

お父さんは、サッカーに出かけた

珍しく、上機嫌なお母さんは、お弁当を渡していた

お父さんが出かけて、すぐに、お母さんが綺麗な格好で出かけて行った

どこへ行くんだろう。。。

綺麗な格好で出かけたということは、男かな？

まさかね。。。

もうすぐ、蓮が迎えに来る時間だ。。。

慌てて、準備する

玄関に出ると、車が見えた

後部座席に座る詩織が見える


茉莉ちゃん、どうぞ？


詩織の隣に勧められて、座る


おはようございます

体調は、どうですか？


まあまあ、かな？

心配かけて、ごめんね？

今日も、茉莉ちゃんが一緒で、心強いわ

ありがとう？


優しく笑いながら話してくる詩織は、いつもの詩織だ


茉莉ちゃん、今日はお父さんは試合に行った？


はい、7時くらいに出かけて行きました


そう。。。お母さんは？


どこかに出かけて行きましたけど。。。

どこへ行ったかはわからなくて。。。


赤いピアス。。。してた？


多分、してたと思います。。。

赤いピアスが何かあるんですか？


ううん。。。気にしないで？

似合うんだろうなあって、思ったから。。。

私は、赤は似合わないから羨ましいな。。。


詩織を見る


アメジスト。。。？ですか？


そう、誕生石なの。。。


薄い紫色が似合う


薄い色が似合う方が、かわいらしくていいんじゃないですか？

お母さん、派手だからあんまり、羨ましくないな。。。


ふふっ

ありがとう。。。

派手な色が似合うのは、綺麗だからなんだから。。。？

やっぱり、羨ましいわ


車が停まり、病院に着いた


あれ？

入院していた所じゃないですよね？


ほら、あそこは直樹の知り合いの所だから、直樹に筒抜けでしょう？

検診のことも、病気のことも、バレちゃうじゃない？

だから、ね？


まあ、確かに。。。

何か病気だってわかったら、筒抜けだよね。。。


そうですね。。。


なんとなく、嫌な予感がする

蓮が、笑いかけてくる


茉莉とおかげで、お母さんがわがまま言わなくて助かるよ。。。？


そんなこと。。。


さあ、行こう？


蓮に促されて病院に入っていく