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Blood of Love
第2章 10年目の約束

「……あなたの優しい気持ちは、愛しいほど胸に焼き付いたわ…」
私はレースの頬を両手ではさむ。
綺麗な瞳が、まっすぐに私を捉える。
「……でも、あなたと離れること自体が、私の幸せじゃないの」
「………!」
「お願いよ。私は絶対にあなたのせいで死んだりしない。
…約束するわ」
レースは一瞬だけ切なそうな顔をしたけれど、
すぐに微笑んで、私の頬を両手ではさんだ。
「…エミリアならなんとなくそういうと思ってたんだ。
……わかった、約束しよう。
俺は絶対にお前を死なせたりしない。絶対に守るよ」
そう言って、私たちはキスを交わした。
でも、この時の私達の考えは
甘かったのかもしれない。
これから訪れる、大きすぎる壁
まだ予測すらしてなかった。

