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Blood of Love
第5章 気配

「いや、アランデル家の強い吸血鬼でもサーターには及ばないよ。
あいつらは多分、特に甘い人間の血を餌にして力を手に入れてるから。
”突然変異”はサーターの方が詳しいだろう」
「今のところ、”突然変異”は私を含めて2名だけです。
”突然変異”に遺伝性はありません」
カップを片付けながらサーターは言った。
「…ただ、もう一方の”突然変異”は完全な吸血鬼ではありません」
「完全な吸血鬼じゃない…?なら一体なんなんだ?」
「……それは言えません。
ですが、強い力を持っているのは本当です」
完全な吸血鬼じゃない…
でも強い力を持っているなんて、一体どんな人だっていうの?
「探さないであげて下さいね。
きっといつか、正体をバラさないといけない日が来ます…その時までは」
「…サーター…?」
一瞬、寂しいような切ない顔を浮かべたサーターだったが、すぐにいつものクールな顔に戻った。
なんか、サーターって…

