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Blood of Love
第6章 アランデルの動き

「な、なにしてるの…!?」
血まみれになった若い女の子と、
その女の子の首筋を噛んだであろう、口周りが血まみれの若い男。
男の様子は平然としているようだった。
私に気付くと、女の子を地面に置いてハンカチで口周りを拭く。
もしかして…吸血鬼?
「やあ、お嬢様。君、とてもいい匂いがするね」
「……っ」
「そこらとは比べものにならないくらい甘い……
どう?俺の餌になる気は?」
高身長で銀髪。
目を光らせながら笑う姿は吸血鬼そのものだった。
「…餌になんかならないわ。その女の子を病院へ連れていくの」
「お、ずいぶん強気だね。
……にしても、君甘すぎない?おなかすいてきちゃった♪」
ゆっくりと男が歩いてくる。
私は後ずさりをしながら、睨みつける。
初めて人世村で吸血鬼に会ってしまった。
それも血を狙う吸血鬼…
どうすればいいのかわからない。

